「小児免疫アレルギー疾患」の第一人者である下条医師による、赤ちゃん・子どものアレルギー疾患についてのコラム。過去にLINEで配信したコラムのバックナンバーです。
アレルギーコラム
~タムスグループ 小児科医 下条直樹~
第1回 特殊なタイプの食物アレルギーが増加
特殊なタイプの食物アレルギー(FPIES:エフパイスといわれるアレルゲン食品を摂取して3時間くらいたってから頻回に嘔吐や下痢を繰り返す消化管アレルギー)が急に増加しています。
※特に離乳期の卵黄FPIESが急増しています。
気になること・診断や治療法については、お気軽に相談してください。
第2回 離乳食を遅らせないほうが、食物アレルギーが発症しづらい
特に卵で証明されていますが、アレルギーが心配なだけで摂取時期を遅くすることは勧められません。摂取時期を遅くすると、かえって食物アレルギーになりやすいことがわかってきています。ご心配な場合は、医師や自治体の保健師さんに相談しましょう。
第3回 木の実(くるみ・カシューナッツ等)のアレルギーが著増
離乳食が一段落した1歳すぎには、湿疹がなく皮膚がきれいな状況で、ピーナッツ・各種木の実を、赤ちゃんが食べやすく安全な形(ペーストやパウダー・スライス等)で食べ始めて、続けていくことがナッツアレルギーの予防になる可能性が報告されてきました。
食べ方については医師にご相談ください。
第4回 ベビーマッサージに注意!
最近のナッツアレルギーの増加の理由はわかっていません。しかし、皮膚からナッツが体に入ってアレルギーになる可能性が考えられています。英国での調査で湿疹のあるお子さんでマッサージの数が多いほど、食物アレルギーが多いことが報告されました。
この結果から、ナッツなどのオイルをマッサージに用いること、あるいはナッツに触った手を洗わずにマッサージすることが、ナッツアレルギーの増加に関連するのではないかと推察されています。
第5回 湿疹の治療はプロアクティブ療法で行う
湿疹が悪化した時だけ、ステロイド外用薬を塗るのではなく1回きちんと皮膚をツルツルにして、その後ゆっくりと塗布回数を減らしていき(2回>1回>1日おき…)、皮膚のいい状態を保つようにする(プロアクティブ療法)。この方法のほうが、結果的にはステロイド外用薬の使用量が少なくて済むと考えられます。
第6回 「ステロイド軟膏が効かない」理由
① 塗る量や回数が少ない→1日2回たっぷりと
② 早くやめてしまっている→つるつるにして、その後はプロアクティブ療法で
③ 弱すぎるステロイド→3日塗って効かなければ変更
④ 掻いてしまうとダメ→包帯や手袋をうまく使って
詳しくは、診察時にご相談ください。
第7回 食物アレルギーの治りやすさに、他のアレルギーの状況が大きく関連する
アトピー性皮膚炎・鼻炎・喘息の具合がわるいと、食物アレルギーの治りがわるく、症状も強くなります。きちんと湿疹を治療すること、ダニ・スギの鼻炎がひどい場合には舌下免疫療法を導入する等、有効な事があります。
詳しくは、診察時にご相談ください。
第8回 電子タバコもアレルギーに関連
妊娠中の「紙巻きたばこ」の使用は、生まれてくるお子さんのアレルギーのリスクになることは、よく知られています。2022年10月の日本公衆衛生学会で、妊娠中の「加熱式たばこ」の使用も、出生児のアレルギーリスクであることが報告されました。「電子タバコ」が安全ということはないようです。
第9回「ぜいぜい」と「ゼロゼロ」の違い
喘息は、息を吐くときの「ぜいぜい」(呼気性喘鳴といいます)が特徴です。息を吸ったときの(吸気性)「ゼロゼロ」を「ぜいぜい」と医師に伝えると、必要のないアレルギーの薬が処方されることになります。スマホで録音して、医師に聞いてもらうと正しい診断と適切な治療につながります。

下条 直樹
<略歴>
千葉大学医学部卒業
前 千葉大学大学院医学研究院小児病態学教授
前 千葉大学医学部附属病院前アレルギーセンター長
千葉大学予防医学センター特任教授
千葉大学医学部附属病院アレルギーセンター客員教授
前 日本小児アレルギー学会理事
<専門分野>
小児の免疫アレルギー疾患
★下条医師の診察を受ける事ができるクリニック
タムスわんぱくクリニック篠崎駅前(LINK)
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